2020年6月10日水曜日

『美について』

このところ急に暑くなり、
イマイチ体がついていかない感じですが、
なんとか今日あたりから、
少し慣れてきた気もします。

で、
先日の大掃除中に出てきた本の中に、
『美について』という新書がありました。
これは、著者である今道友信先生の授業に出ていたとき、
読んだものです。
この本が、
教科書に指定されていたのかもしれません。

パラパラ見ただけで、
ものすごくマジメに読んでいるのが分かります。
傍線や書きこみが多く、
今はここまで線引かないなあ、という感じ。
で、
拾い読みすると、
今道先生、まっこうからバルト批判を展開していました!
これにはびっくり。
記号論的解釈とは、
産業社会構造を(暗に)モデルとしたものであり、
それはどこまでいっても人間不在だ、
ということのようです。

もちろん、なるほど、と思う部分もあって、
それは、たとえば小説でも映画でも、
記号的に解釈した後は、
必ず「一回性」に戻らなければならない、
という部分です。
たしかにね、
作品は、記号の寄せ集め、ではないですね。

今道先生は、
わたしが大学時代に教わった中では、
一番厳しい先生でした。
わたしにとっては、
父親と同じ年齢、同じ旧制高校なので、
親近感もありました。

大掃除って、こういう発見がつきものですね。