『パッション』(2008)
を、大学院のゼミで見ました。
院生のセレクションです。
院生たちの評価は高かったです。が、
わたしはあまり乗れませんでした。
脚本が、特にセリフが、
(まあ、あまり言い言い方じゃないんですが)
ややナイーブ過ぎると感じました。
ゲーム的で、
書いている「手」が見えて、
しかも深さはあまり感じませんでした。
まあ、もともとこういうワカモノたちの浮気がどうの、
みたいな話には、あまり惹かれないんですが。
ただよかったところもあって、
それはちょうど予告編に写っている煙突です。
実際には、あの煙を吐く煙突が映し出されているときに、
一人の女性の祖父の、臨終間際の「奇跡」が語られます。
彼は復活したのです。
そしてもし周囲がそれに気づかなかったら、
彼は荼毘に付されていただろう、と。
このエピソードを聞かされると、
延徳と煙は、
どうしても、火葬場のそれに見えてきます。
もちろん、違うでしょう。
でも、死が、
もうもうと湧き上がっているように感じられるのです。
そして映画と冒頭と終わりには、
26年生きた猫を弔うシーンがあります。