2023年1月28日土曜日

「寛永宮本武蔵伝」

神田伯山による講談、

「寛永宮本武蔵伝」(全17話)

を聞いてみました。


伯山による巧みな解説も挟まるので、
荒唐無稽なこの物語も、
そういうものとして楽しめました。
(これがYouTubeで無料っていうのが、
よく分からないんですが……。
完全に有料の価値があります。)

宮本武蔵のことなんて、
(そもそも時代劇があまり得意じゃないので)
ほとんど知りませんでした。
で、
この「寛永」宮本武蔵伝は、
虚言によって切腹に追い込まれた師匠の仇討ちのため、
佐々木小次郎巌流との対決を求めて旅する過程で、
さまざまな達人と出会いながら成長する武蔵を描き、
ついには、あの巌流島の決闘へと至る、
ひとつのロード・ムーヴィー的な物語です。
確かに構造は「仇討ち」なんですが、
実際は、さまざまな達人と武蔵の交流がメインなので、
あまり褒められない「構造」も、
それほど気になりませんでした。
(「平家物語」の本質は、
祇園精舎の鐘の声にあるのではなく、
血湧き肉躍る戦いの場面にある、
と言われますが、そんな感じです。)

それにしても、
神田伯山、ほんとにぜんぜん噛みません。
そして緩急自在。
プロはすごいですね。