2010年5月26日水曜日

7枚


1か月ほど前、たった「7枚」書くのにすごく緊張している、ということを書きました。
ネット上に広告が出始めたので、ご報告させてください。

「7枚」は、吉本隆明さんの『父の像』の、文庫版解説です。(画像)
この本は、かつて「ちくまプリマーブックス」の1冊として刊行されたものですが、
今回文庫化するにあたって、その解説文を書かせていただいたわけです。

わたしにとっては、吉本さんは雲の上の存在。
解説なんて恐れ多いのですが、とにかく、心をこめて書きました。

自分なりに気になったことを調べたりもしたのですが、
実際には、調べたことは書かずじまいでした。
調べたことなんかより、吉本さんの文章に寄り添うほうが、
ずっとよかったからです。

『父の像』は2部構成で、
前半は、吉本さんの好きな文学者の作品を通して、
そこに現れる「父の像」を探っていきます。
そしてそこからは、「父の像」だけでなく、
「時代」の輪郭もリアルに伝わってきます。ここは読みどころのひとつです。

そして後半は、吉本さん自身の「父の像」です。これはねえ……
散文なんですが、もう、詩です。

発売日は6月9日。ちくま文庫です。
ぜひ。