2011年2月27日日曜日
よく分からないこと
よく分からないどころか、
まったく分からないことがヒマラヤのようにあるのですが……
わたしが学生の頃ですから、もう30年も前のことです。
その頃すでに、大学生の間でさえ、
こんなことが話されていました、つまり……
中国の民主化はムリだ、なぜなら、
あの広い国土を治め、あの人口を食べさせることができなくなるから。
今でさえ大変なのに、民主化なんかしたら、
(たとえば民族ごとに)バラバラになって、餓死者続出さ。
だから、中国に限っては、民主化しないほうがいいんだ……
あれから30年、驚くべきことに、
まったく同じ物言いが聞こえてくることがあります。
けれども、今それを語ることは、
30年前とはずいぶん意味が違うのではないでしょうか。
この30年間に、中国の暮らしもずいぶん良くなっているはずだし、
当時は考えられなかった、「富裕層」なんてものまで登場してるのです。
「富裕層」には、かなり不公正に近い方法で成り上がった人たちも多いようです。
もし今民主化したら――
さあここからがデリケートなところなんですが、
今中国で民主化するとしたら、
これは共産革命になる、という見方があります。
共産圏で共産革命!?
不思議ですが、今中国では共産党に近い「富裕層」に富が集中しており、
革命を起こすなら、
まず彼らと共産党を倒すことから始めることになるはずなのです。
こういう状況で、30年前のような議論をすることは、
誰にとって有利でしょう?
もちろん、「富裕層」にとって、ということになります。
彼らは、蓄えた富を失うのだけは御免だろうからです。
そもそも、資本主義の民主国家に暮らす日本人が、
中国は民主化しなくていい、なんて言っている時点で、
それってどう? という印象があります。
もちろん、民主主義なんて、最近の発明です。
これがベストだなんて思ってる人は、あまり多くないでしょう。
消去法的に言って、今のところ、まあこれがよかろう、
と考えている人が大半だと思います。
でも、それにしてもです、
おまえのところは飢死が心配だから民主化するななんて、
とても言えそうもありません。
中国には中国の、なんというか、価値観があり、
それは必ずしも民主主義と相いれないのだ、ということもあります。
なるほどこれは説得力があります。が、
現在の中国は不自由に見えて仕方ありません。
飲み屋では、共産党の悪口も言われているそうで、
その点ではリビアや北朝鮮とは違います。
それにしても、軍事力を背景にした一党独裁は、
今の日本とはまったく違う世界です。
この「縮まりゆく世界」においてさえ、そうなのです。
わたしはほんとに素人ですが、
やっぱり、中国も民主化すべきだと思っています。
もちろん、本当のことはよく分かりません。
ただ、民主化しなくていいとは、とても言えない気がするんです。
天安門世代には、「富裕層」になり果てた人たちもいるようです。
民主化は、途方もなく困難な道のりでしょう……
(中東を見ていると、イスラム国家でイスラム革命が起きている、
とも言える気がします。)