2011年7月26日火曜日
ブレヒト作
今日は東中野で、演劇集団・風の公演を見てきました。
作品は、ブレヒトの『肝っ玉おっ母とその子供たち』です。
http://www.kaze-net.org/repertory/rep_kimo
第2次大戦中、ブレヒトが亡命先で書いたこの作品、
舞台は30年戦争にとられています。が、
テーマは普遍的、かつ現代的。
とてもたくさんのアプローチがあり、
こういう作品です! と言いきれないところがさすがです。
とはいえ中でも気になるのは、
戦争をすると誰かが儲かる、とういう指摘。
当たり前と言えばそれまでだけど、
このことは常に意識しておきたいことです。
(もちろん、原発も儲かるでしょう。)
WW1やWW2 で、アメリカがどれほど儲けたかを考えると、
今もアメリカが戦争を仕掛ける理由の一端がうかがえる気がします。
もちろんたとえばフランスだって、
紛争地域に(理由をつけては)武器を売り、
紛争を長引かせることがあったはずです。
もう1つは宗教。
カトリックとプロテスタントの対立。
宗教が、今の世界を見る時のキーの1つなのは、
今さら言うまでもないでしょう。
特に、国家と宗教がつるんだときは、ロクなことが起きない気がします。
これは映画監督のブニュエルが、繰り返し言っていたことでもあります。
それにしても演劇は、
役者さん達の肉体、動き、声、
そのどれもが具体的で直接的。
映像作品とは、そこが決定的に違いますね。
これも当たり前のことだけれど、
やはり見るたびにその思いを新たにします。
特に今回は、
エンディングに詩の朗読があり、
やはり黙読とはレベルが違うことを再認識しました。
そして今日は、終演後、
出演者の一人の柴崎美納さんと少しお話しできたのですが、
とても勉強家で、知識が広いのに驚かされました。
色々教えてもらいました。
そして、
「不思議なもので、舞台に立っただけで、
一言もセリフなんか言わなくても、
お客さんには見抜かれちゃうんです、
この役者はどう生きてるのか、なにか言いたいことがあるのか、どうか。
そしてそれは、普段の生活を充実させるしかない、
自分がちゃんと色んなものと向き合っていくしかない……」
このままじゃないですけど、
まあこういう内容のことをおっしゃっていて、
とても納得がいきました。
柴崎さんは持って生まれた声が魅力的なのですが、
もちろんそれだけじゃないんですね。
やっぱり、時に演劇を見るのって、
目がさめる感じがします。
いい舞台でした。