Au bout du monde à gauche(『左側の世界の果て』)
という映画を見てみました。
しっかり作られた、いい映画でした。
ユニフランスの「あらすじ」には、
1960年代末、二つの移住一家がイスラエルの世界の果ての小村で隣人同士となった。
一方はモロッコから、もう一方はインドから来た家族だ。
夢以外には共通点は何もない。
共に暮らすことを余儀なくされた二つの家族は互いを評価しあい、
それぞれの身分を強調しようとする。
互いに自分達の習慣に執着し、自分の文化を強要しようとする。
それぞれの家族の娘、サラとニコルだけは、互いに近づきあい友達同志となる。
若く、自由を渇望する二人はどんな偏見も覆していく。
この人里はなれた村では、曲がりくねって驚き一杯ながらも、
明るい調和への道が予想されるのだった…。
とあります。
http://www.youtube.com/watch?v=mJliKqYhGXU
「自分の文化を強要しようとする」という部分がやや違う気もしますが、
設定はそういうことです。
で、
あまりに当然なので書かれていないのでしょうが、
もちろん全員ユダヤ人です。
(イスラエルに移住してきたわけですから。)
映画の視点は、一応サラ(がつけているノート)にあるのですが、
そこは映画です、サラの知らない事情も観客は目にします。
たとえば、
サラのお父さんの浮気、
美少女ニコルと若い教員の「関係」、
そしてニコルの母親のガンなどです。
そうです、物語は絡み合っています、が、
うまく配置されて、混乱はありません。
もちろん、核心にあるのは、2 人の少女の友情です。
この映画、You Tube で全編見られるのですが、
わたしはDVD で見ました。
で、そのパッケージの「言語」の欄に、
multilangue と表記されているのですが、
これは珍しい気がします。
もちろん、実際マルチ言語な映画は数多いですが、
多くはやはり中心となる言語があり、
それが表記されていることが多いからです。
けれどもこの映画は、
ヘブライ語、フランス語、英語、が、
ほぼ同じくらいの量使われていました。
まさに multilangue なのです。
そしてごくごく小さなことですが、
ニコルの父親役の Jean Benguigui は、
『アイシャ』ではユダヤ人医師の役を演じていました。
彼もAure Atika も、有名ユダヤ人俳優なんですね。