2013年5月10日金曜日

窒息するドーベルマン

今日の授業で、
Pardon !
を使う回数がとても多いという話をしているうちに、
なぜか都市伝説の話しになり、
院生の頃に読んで強烈な印象を残したあの本、
『チョーキング・ドーベルマン』と
『消えるヒッチハイカー』
の紹介をしてしまいました。

今は日本でも、都市伝説を扱うテレビ番組さえありますが、
そういうところで語られるものは、
どうも物語性に欠けるように思われます。
物語のオチや、結末ではなく、
物語をドライブさせる力そのものを、
ある種の時代の気分が支えているんだ、
というようなことを話しました。
たとえば、「見知らぬ人たちに囲まれて生きる都会生活の不安」は、
ふだんは隠れているけれど、
ある物語の形をとるとき、
強い引率力を発揮しそうです。今でも。