2001年と言いますから、
もう10年以上前ですが、
『ジェヴォーダンの獣』
という映画がありました。
フランスのジェヴォーダン地方に伝わる、
女性や子供ばかりを襲う獣の伝説。
この伝説をもとにしたフィクション、というところです。
時は1765年、ルイ15世の時代です。
で、主人公フロンサックは、「セント・ローレンス川」で戦ったことがある、
というのですが、これはもちろん、
フレンチ・インディアン戦争(1755 - 1763)のこと。
そして彼の頼りになる友人は、
この戦いのとき彼を助けてくれたインディアン、マニです。
この2人が、王の命を受けて、獣退治にやってくるわけです。
http://www.youtube.com/watch?v=RQ-oWOKbpIY
フロンサックは、獣なんているわけない、という態度。
けれど地元は、あんな獣は見たことない、絶対オオカミじゃない、
と口を揃えます。
マニは……彼は超自然的な力を備え、
オオカミたちと心を通わせ……
この映画、今回6, 7年ぶりに見たんですが、
これは図式化すれば、
フロンサックが体現する合理主義、ないし啓蒙思想、
と、
地元の神父らが体現する旧来の、いわば非合理な思想、
の対決なんですね。
獣はその戦いの象徴で。
ただ気になるのは、マニの存在です。
フロンサックとマニは、ほとんど一心同体。
お互い認め合って。
でも、マニの背負っているのは、
フロンサックの見ているものとはだいぶ隔たりがあり……
このへんに、考えるべき点があるのでしょう。