かなり楽しみにしていた映画、
De l'autre côté du périph
ついに見てみました。
http://www.youtube.com/watch?v=q0F3nABoo8I
タイトルは『ペリフの向こう側』。
これはコンビを組む2人の刑事のことを言っているわけです。
François Monge は「パリ」にいて、昇進と女のことしか頭にない刑事。
彼(を含めた「フランス人」刑事)にとっての「基準」は、
ベルモンドの『プロフェッショナル』。
Ousmane Diakité はパリ郊外のボビニーにいて、
小さな息子と2人暮らし。
アフリカ系である彼の「基準」は、
エディー・マーフィーの『ビバリーヒルズ・コップ』。
で、
この2人のどちらにとっても、相手は
「ペリフの向こう側」 にいるわけです。
ウスマンを演じるオマール・シーは、
いつも通りなかなか魅力的。
ただ『最強のふたり』なんかの場合とちがうのは、
たとえば彼が、子ども時代は泣き虫だったというようなエピソード。
(これは語られただけで、本人は否定するのですが。)
それから名前。
Ousmane は2度からかわれるのですが、
1度目は、8区の警察署から16区に向かおうとする場面。
彼に対してモンジュは、
「ウスマン大通りで行けば?」
と言い放ちます。(もちろん、オスマン大通りのことです。)
2度目は、ボビニーのシテで。
ワルに囲まれた彼に、過去を知るチンピラが
「こいつはルス(不運)なやつで、みんなにルスマンて呼ばれてた」
というと、にわかに「ルスマン! ルスマン!」の大合唱が起こるのです。
ではフランソワはというと、
ボビニーで張り込み中、あるはずもないのに
「洗面所に行きたいんだけど」というと、
ボビニー人の刑事たちは、
彼を「フランソワ1世」と呼び始めるのです。
というわけで、
笑えるセリフも随所にあり、
楽しめる映画であることは間違いないのですが、
まあ、ややストーリーは弱いかもしれません。
同じボビニーを舞台とした『アイシャ』と、
どうしても比べてしまうのですが、
この刑事ものは、ややエンターテイメントの要素が強いようです。
ただエンディング近く、ボビニーの遠景が映し出される場面では、
遠くにサクレ・クールと、
おぼろげながらエッフェル塔が見分けられるのです。
これは、『アイシャ』の冒頭を思わせるものでした。
http://www.youtube.com/watch?v=9HUHka0oCBk ←2''48 あたり
http://www.youtube.com/watch?v=IVr0JRoiuxY ←1'27''00 あたり