リュシアン・ジャン=バティストの監督&主演、第3作、
Dieumerci !
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=HkNLB4Ymefs
前2作同様、まあ、オチは楽天的すぎるコメディーで、
ストーリーとしては、「ふつう」でした。
幼い子供を亡くし、離婚し、引きこもり、
酒と借金にまみれ、金を返せず、
収監されたディウーメルシー。
物語は、彼が出所するところから始まります。
で、その彼は、なんと、
子ども時代の夢、役者になる、ことの実現のため、
行動を開始します。
もう、失うものはない、というわけです。
とはいえ、まず、俳優学校の学費が払えない。
で、バイトに精を出し、
そんな時学校でコンビを組まされた(ヨーロッパ系白人のわがままな)坊ちゃんは、
トラブルばかり運んできます。
でも、彼と一緒に、コンクールに出て、
『ロミオとジュリエット』を演じなければなりません、男二人で。
さてその結果は……
個人的に引き込まれたのは、
(いつもの通り、)場所の扱い方です。
まず、フィルミヌ・リシャール演じるカリブの母が住んでいるHLM、
つまり彼の実家は、
RER ・A線の、Sucy-Bonneuil 駅近く、
バスの117番線のMessidor-Libertésで降りたところです。
(117の停留所をしらみつぶしにGoogle Mapしてゆき、
なんとか発見。
工事中で、微妙にバス停の位置が変わっていたので、
最初は分かりませんでした。
予告編の04秒あたり。)
ここは、大きく言えば、(この監督にはおなじみの)クレテイユです。
そして彼が投宿する安宿は、グット・ドールの、
あのシャルトル通りの出口付近。
宿の経営者はインド系の人で、
隣に住むのは、アフリカ系の元気な娼婦です。
そして、あの坊ちゃんの実家は、モンソー公園の近くのようです。
というのも、
坊ちゃんのパパが、そこで犬の散歩をさせているからです。
クレテイユ、
グット・ドール、
モンソー公園。
この映画は、この3点に支えられているのでした。
(ラスト、コンクールが行われるのは、
レピュブリック広場の角、
Thêatre Dejazet でした。)