2018年2月1日木曜日

『近代都市』(備忘録1)- a

Françoise Choay(フランソワーズ・ショエ)は、
1925年生まれのフランス人で、
以前はパリ大学の先生だった人です。
専門は、都市史、と言えばいいのでしょうか。

著作の多くはフランス語で書かれていますが、
小数、英語のものもあるようで、
その1つが、かつて日本でも翻訳されました。

『近代都市―19世紀のプランニング』(1969)

薄い本なんですが、中身は濃いです。
全然まとまってないんですが、
備忘録として、メモします。

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まず、現在でもよく使われる「都市計画」という語、
これの出発点は、スペイン人のセルダが1867年に使った、
urbanizacion でした。
もちろん、都市計画的な試みは、
何千年も前からあったわけですが、
19世紀の後半になってやっと、
この言葉が生まれたといいます。
(ちなみに日本では、1919以の「都市計画法」以降。)
これは何を意味しているのか?

時代を画したのは、産業革命(R.I.)です。
それ以前、特に中世において、
都市は、
「あらゆる社会システム(政治権力・学問・経済・宗教)と関連づけられ」ていて、
「全体的で包括的な意味のシステム」だったと言います。
ところが、R.I.が、
都市からこうした意味の文脈を奪い、
これを解体します。その原因は、以下の3つ。

①強烈な経済優先主義
②都市の意味付けと無縁な、(農村からの)移住者の侵入
③コミュニケーション手段の開発

そして、意味が無効となってしまった都市においては、
都市はどうあるべきか」という問題を、
考え直さねばなりません。
つまり、R.I. 以降、
都市についての「批評的な」が考察が生まれてくるのです。
そして、その流れの中で、
urbanizacion というスペイン語が生まれるわけです。

<つづく>