2018年2月15日木曜日

Paris pieds nus

タイトルに惹かれて見てみたのは、

Paris pieds nus(2016)

です。
これは、『ロスト・イン・パリ』という邦題で、
去年の夏に公開されています。
(わたしはDVDで見ました。)

https://www.youtube.com/watch?v=SQNkvmh2beg

一言で言えば、
ファンタジックなコメディー、なんですが、
不思議に飽きるところがなくて、
おもしろく見ました。
しばしばチャップリンと比較されるそうですが、
たしかに、思い出します。

ある日、
カナダの雪深い町で司書をしているフィオナのもとに、
1通の手紙が届きます。
もう半世紀も前にパリに行った伯母、マルタから、
助けて、というメッセージ。
ずっとパリに行ってみたかったフィオナは、
ついに旅立ちます。
が、
宛所にマルタはおらず、
あちこち探すうちトラブルに巻き込まれます。
そんな中知り合うのが、
ホームレスのドムです。
2人はともにマルタを探し始めるのですが……
というお話。

主演のフィオナとドムを演じるのは、
アベル&ゴードン(Abel & Gordon)。
2人は、監督・脚本もつとめています。
本業は道化師なだけあって、
動きがシャープです。
(実年齢は、還暦です。)
そしてマルタを演じるのが、
あの『24時間の情事』で知られるエマニュエル・リヴァ。
彼女にとっては、これが遺作となりました。

それにしてもこの監督たちは律儀で、
いわゆる「伏線の回収」率がすごいです。
ほとんどそれが、物語を引っ張っている感じさえします。
で、トータルとしてはとても感じよかったのですが、
気になったこともあります。
まず、マルタの住んでいるのが、
おそらくサン・ジェルマン・デ・プレ教会のすぐ裏あたりで、
こんな家賃の高いところに住める理由が、
いまいち分かりませんでした。
また、ドムが暮らすテントが、
「白鳥の小島」の北端、
つまり自由の女神のふもとなのですが、
あの辺ならむしろ、
橋の下に住むんじゃ? と、
思ってしまいました。
そしてなぜ、
こんな一見つまらないことを言うのかと言えば、
タイトルに「パリ」と入るからには、
たとえファンタジーでも、
やはりパリの構造(と言えるかな?)は、
無視しないでほしかったからです。
でも、繰り返しますが、
たしかにおもしろい映画でした。

ちなみに、
「白鳥の小島」が登場する映画と言って真っ先に思い出すのは、
これ。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=hssfranse-003-16060001

また、ベルモンドのこれにも出てきてました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/06/peur-sur-la-ville.html

音楽はショスタコのこれ。

https://www.youtube.com/watch?v=3tGOFEgDzug

そして『24時間の情事』の原作小説は、

https://www.amazon.co.jp/ヒロシマ私の恋人-ちくま文庫-マルグリット-デュラス/dp/4480024352/ref=pd_cp_14_2?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=XEGN1DGK01VGB044HJFK

です。