2018年2月6日火曜日

Rock’n Roll

MFFF 10本目は、

Rock'n Roll

です。

https://www.youtube.com/watch?v=QzDAsbOSuy0

ギヨーム・カネ、43 歳。
幸せに満ちた人生を送っていると思っていた。
パートナーのマリ オンと息子、愛する家族との生活、
自然に囲まれた田舎の別荘、馬…。
すべてが 「ダサい 男」のイメージにつながっているらしい。
なんとかしようと意を決したギヨームは、
自分が まだまだ「イケてる」ことを証明しようと、
あきれ顔の周囲の心配をよそに、
あらゆるこ とに「挑戦」するが…。
私生活でもパートナーであるギヨーム・カネとマリオン・コティヤ ールが
本人役で共演」

ギヨーム・カネの監督・主演ですから、
彼の作品と言っていいでしょう。
いわゆる「中年の危機」もので、
上の紹介だと、「ダサい男」を脱するために、
と読めますが、ポイントは、年齢、
つまり、若さの喪失です。
自分が、若い女の子たちの「対象」から除外されていることを知り、
いやそんなはずはない、
そんなはずじゃなかった、
今からでも取り返すぞ!
と張り切るお話です。

序盤はテンポよく、
自虐ネタを連発しながら、好調に進みます。が、
中盤はやや重く、
その後はややブラックな様相を呈し、
終盤は、ブラックではなかったことを示す展開です。
(いや、ここまで全体がブラックのつもりかも??)

そして実はパートナーのマリオンにも、
ややしつこい感じの性格設定がなされていて、
虚実の間の境界線を見えなくする、
という意味では成功しているのでしょうが、
そもそもの問題は、
この結末で解決されたことになるんでしょうか?
そうは感じませんでした。

わたしは一般に、
小説家が主人公の小説、
俳優や演出家が主役の芝居、
やはり俳優や監督が主役の映画に対して、
あまりいい印象がありません。
これらは概して、
内向きで、仲間受けで、
(たとえ自虐という形であっても)自己愛的になりがちだからです。
今回も、
ややその嫌いがあったように思いました。

*間違っているかもしれませんが……
ある場面で、あるアメリカ人が、
ギヨーム・カネのことを指して、
Froggy
という言葉を使っているように聞こえました。
これは、軽蔑的に「フランス人」を表す英語です。
日本語字幕では「フランス人」となってましたが、
自虐とはいえ、一瞬驚きました。