2022年11月6日日曜日

『Deadwind  刑事ソフィア・カルピ』

というわけで、

『Deadwind  刑事ソフィア・カルピ』

ついにシリーズ3まで、
つまりシリーズ完結まで見終わりました。



そして今回3を見たわけですが、
これは明らかに、
1から3までトータルで作られています。
つまり、評判がよかったから続編を、
みたいなやつじゃないってことです。
というのも3は、
1や2で放置されていたさまざまな事柄を、
どんどん回収していく展開なんです。

この回収がうまくいっていたかどうか、
それはちょっと微妙。
というか、
3の物語がちょっと複雑すぎた気がします。
ただ、
ヒロインであるソフィア・カルピや、
若き相棒であるヌルミはもう顔なじみで、
しかも二人ともなかなかいいキャラなので、
最後まで見ること自体は楽しかったです。
特にソフィアは、
完全に「扱いにくい女」であり、
そこがとてもいいのでした。
(管理的で、常識的な女性上司と、
いいコントラストがついています。)

ソフィアの夫は、
物語が始まる直前に亡くなっていて、
だから彼女はシングル・マザーです。
そして3において、
子どもたちはソフィアの元を離れ、
一人は自立し、
一人は、亡くなった夫の父親と暮らしています。
つまりソフィアは、
事実上、まったく自由なのです。
これは、斉藤美奈子さんが「少女小説」について指摘していたこと、
「少女」はたいてい「みなしご」で、
親の庇護/管理から外れた存在であり、
だからこそ物語上の行動の自由が生まれる、
を想起させます。
ソフィアの夫がいないことは、
物語上の要請でもあったわけなんですね。