ついさっき、
今日の夕焼けを送ってくれました;
「……日没は、人間を高め、
彼らの肉体が今日一日その中を彷徨った、
風や寒暖や雨の思いがけない移り変わりを、
神秘な形象のうちに集めてみせるのである。
(……)太陽の円盤が山の頂きを歯のように縁を刻まれた
堅い歯の形に切り取ってゆく時、
とりわけその時に、
人間は、
怪奇な映像の束の間の変転のうちに不透明な力や蒸気や稲妻が示しているもの、
その暗黙の葛藤を、
人間が自らの内奥に、
一日の間漠然と感じ取っていたものを見出すのである。」
『悲しき熱帯Ⅰ』レヴィ=ストロース(川田順造訳)