2010年12月14日火曜日
Femme d'Islam
今日はまたまた、Yamina Benbuibui の最初の作品、
Femme d'Islam『イスラムの女性』を見ました。
これも先日の『移民の記憶』同様ドキュメンタリーです。
内容は……
これは、例のヘジャブ問題で揺れた2つの意見が中心にあると言ってよさそうです。
つまり、
「ヘジャブは、イスラム的女性抑圧の象徴だ」
と
「ヘジャブは、それを被る<わたし>の精神を解放し、自由にしてくれる」
という2つです。
もちろんそれ以外にも、いろんな具体例が出てきますが、
この2つの立場のせめぎ合いとみても、
そんなに的外れではないと思います。
そういえば、オムニバス映画『パリ・ジュテーム』の「セーヌ河岸」では、
ナンパされた(?)若い女子学生が、第2の立場を表明していました。
難しいですね、これは。
ただ中に一人、きっちりヘジャブを被った若い女性が登場するのですが、
(そして彼女もやはり第2の立場なのですが、)
「抑圧されたイスラムの女性なんてみたことない」と言い切る彼女に向かい、
インタヴュアーが、
じゃああなたはアフガニスタンやイランの状況をどう説明するのか、
とつっこむ場面があります。
ヘジャブの女性は、完全にシドロモドロになってしまうのです。
イスラムに、その教えに沿った生活に、まったく女性抑圧の要素がないと言うのは、
これはやはり無理でしょう。
『自由に生きる -フランスを揺るがすムスリムの女たち』
という手記の中でも、その辺のことは詳しく紹介されていました。
こうしたイスラムの現状を、
なんとか今の世界に合うように「近代化」しようという動きはもちろんあります。
ただ一方で、昔に戻ろうとする「原理主義」的な動きもあるわけです。
(「原理主義」=「過激派」ではありません。後者は前者のごく一部。)
……それにしても「フランス」は、
考えるタネをたくさん供給してくれること!