2011年12月14日水曜日

エティエンヌ・マルセル


大学入試の時は、
たしか「世界史」で受験しような覚えがあるんですが、
それがもう信じられないほど、
あの時覚えたことは雲散霧消してしまいました。
忘れっちまった世界史は
たとえば狐の皮裘……


ところでパリでメトロに乗っていると、
シャトレやオペラやレピュブリックなど、
何度も乗り換える、いやでも覚えてしまう駅があり、
逆になかなか覚えることのない駅もあります。

中で、エティエンヌ・マルセル駅は、
ほぼパリの真ん中にあって、
4号線しか通っていないので乗り換えることはないけれど、
その名前の響きのよさゆえか、記憶に残る駅だと感じます。

エティエンヌ・マルセル。
彼は有名な毛織物商の家の出で、
14世紀の前半、パリ市長(商人頭)になった人です。
そして市長として、当時の摂政シャルルⅤと戦い、結局暗殺されました。
(というようなことを、覚えてなかったんですねえ、残念ながら……)
 
今読んでいるのは、
『エティエンヌ・マルセルのパリ革命』
という翻訳本です。
1988年の本で、古本ですが、読み応えがあります。
 
この人に興味を持ったのは、
やはり城壁がきっかけです。
世に「シャルルⅤの城壁」と呼ばれているものがあるのですが、
実はそれ、最初に建築を命じたのはエティエンヌ・マルセルその人でした。
イングランド軍からパリを守るのが目的だったようです。
(そもそもシャルルⅤが「摂政」であったのも、
国王がイングランドの捕囚になっていたからです。)
 
彼の騎馬像は、市庁舎の前、セーヌに向かって建っています。(上の画像)
おそらく、市庁舎をここに移したのが、彼だったからなんでしょう。
そして数年前、パリの街でよく見られたのがこの写真だったようです;


もちろん合成ですが、面白いですね。
もとはこうでした;


このエティエンヌ・マルセル、
wiki を見ても、日本語ヴァージョンとフランス語ヴァージョンの違いが甚だしいです。
フランスでは、少なくともパリでは、有名人なんでしょうねえ。