2013年12月4日水曜日

Comme les 5 doigts de la main

L'Union sacrée という映画について、先日書きました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/lunion-sacree.html

この映画は、「気になる1本」に含まれます。
となると、これを撮った監督の、
別の作品も見たくなります。で、
見てみました。

Comme les 5 doigts de la main
『5本の指のように』

http://www.youtube.com/watch?v=BYS0TPK6_jc

ピエ・ノワールで、今はパリでそれぞれ独立して暮らす、
ユダヤ人の5人兄弟。
しかしその内の1人は、数年前から行方をくらまし、
どうやら南仏で悪事に手を染めているよう。
そんなある日、突然、
傷を追って彼が、南仏からパリに、
絶縁状態にあった兄弟のもとに戻ってきます。
彼は仲間を売り、大金を横取りしました。
しかしその仲間が脱獄し、
彼をパリまで追ってきているのです。
しかしなぜ、彼は仲間を売ったのか。
そこには、事故だと思われていた父親の死が、
深くかかわっていました。
それを知った兄弟たちは、ついに一丸となって、
ロマのギャングとの対決を決意します……

ちょっと話が込み入っていますが、
おもしろい映画だと思いました。
女性2人、
長兄の嫁と、警察の捜査チームを率いるアラブ人女性、
特に後者(Lubna Azabal)は、出番は少ないのだけれど、印象に残りました。
(彼女は、Les Hommes libres にも、重要な役で出ていました。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/les-hommes-libres.html

これは映画の本筋からは逸れますが、
この女性リーダーが、兄弟4人を警察署に呼びつけて取引を持ちかける場面、
なんなだか引き込まれました。
その中で、彼女は訊きます。

「Hayounって名前、モロッコ系? アルジェリア系?」
「アルジェリアだよ。Bougie さ」
「ベジャイヤね」

Bougie は、「ろうそく」というフランス語のもとになった街の名前です。が、
それはフランス領アルジェエリア、
つまりアルジェリア独立前の名前。
見た瞬間にアラブ人であるリーダーは、
すぐに、そのフランス的(傲慢な)無頓着を、
現在の名前に訂正したのです。
そして、彼女は言います。

「警察がワルを甘やかしてるのは知ってる。
でもね、そんなのくそくらえよ。
あいつは警察官を2人殺した。
あたしたちはあいつの首がいるの。
そしてもちろん手に入れる」

この、自分が属する集団の尊厳が、
自分の尊厳と一体になっている感じ。
この古めかしさが、フィルム・ノワールの様式を支えているのでしょう。
そしてこれは、警察の側にも、ワルの側にも、
同じように見出すことができるようです。