電子書籍というものが出始めた頃、
これからは電子だ、
なんといっても場所も取らないし、
だから何千冊も持ち歩けるし、
検索もできるし、
安いし、
いいことづくめじゃん!
という意見がある一方、
やっぱり、本でしょ、
なんといっても、目の前に在るし、
紙の手ざわり、
判型、組、フォント、印刷のインク、
つまりそこにはデザインというものがあるし、
持ち運べるし、
抱いて寝られる(!)し、
スクロールなんかしなくてもパラパラできるし、
なんなら破ることだってできるし、
どうしてこれが捨てられようか!
という意見もありました。
両方、そう思います。
でも……
原稿があって、
レイアウトされて、
そこに目次がついて、
章立てがはっきりしてきて、
図版が入り、註が確認され、
紙とインクが決まり、
カバーデザインが全体を包み込むと、
なんとそこには、
無から有機物が生まれるように、
ひとつの世界、
「本」という生命体が出現するのです!
というわけで、
わたしは「本」派です。
(今日も、それを実感しました。)