2015年3月30日月曜日

N'oublie pas que tu vas mourir

今日は、

N'oublie pas que tu vas mourir

という映画を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=FgwCDsmhE44

1995年の作品で、
監督は、グザヴィエ・ボーヴォワ。
彼の作品としては、これがありました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/des-hommes-et-des-dieux.html

タイトルのN'oublie pas que tu vas mourir は、
「メメント・モリ」のフランス語訳だそうです。(wiki)
メメント・モリは、
メメントが「覚えておきなさい」(「覚える」の命令形)
モリが「死ぬこと」(「死ぬ」の動詞原形)
で、これは繰り返し、
いろいろな作品のモチーフとなってきたわけですね。

今回の作品は、わたしとしては、
ロシュディ・ゼムが出演しているという一点で見たのですが、
ちょっと、評価しにくい作品でした。

1990年代、主人公のブノワは、
美術史を研究している学生です。
彼は、徴兵されるのが嫌で、
招集された宿舎で仮装自殺を試みます。
で、いろいろ検査されたところ、
彼がHIV 陽性であることが判明。
映画は、彼がその後、現実から逃避し、
また破滅へと向かう過程をとらえています。
もちろんそこには、エイズ、そしてクロアチア紛争という、
90年代的背景があります。

ゼムの役どころは、麻薬の密売人。
彼とブノワは、留置所で知り合い、
一緒に麻薬の運び屋をつとめます。
ただその後、ブノワはローマに行き、
そこである女性と恋に落ちるのですが、
そこに安住することができないブノワは、
クロアチア紛争の前線を目指します……
(結局、あれほど嫌だった戦場に赴くわけです。)

ゼムが演じたオマールが語る、
麻薬ディーラーであるアリのエピソードがおもしろかったです。
マグレブ移民アリは、
111フランと、水1瓶、サンドイッチ1つだけもって、
マルセイユに到着します。
でも、そのまま船に、3日間閉じ込められてしまいます、
大量の鰯と一緒に!
その後マルセイユに上陸したアリに、
40匹もの猫がつきまといます。
警察に目を付けられたくない彼は、
走って逃げるのですが、
するとさらに、多くの猫があつまってきて……というのです。
オマールは、100フランほどを持って国を離れる男こそ、
尊敬に値する人間だ、と言います。

静けさは感じられるし、
おもしろくなくはないのですが、
主人公のわがままな甘さが、
ちょっとウザクもあったのでした。