2000年に発表された映画、Sauve-moi を見てみました。
http://www.dailymotion.com/video/xpwase_sauve-moi-bande-annonce-vf_shortfilms
舞台は北フランス、ベルギー国境に近いルーベです。
そこの街には、多くの移民たちの姿がありますが、
メディ(ロシュディ・ゼム)もまた、
数人の仲間に囲まれて暮らしています。
といっても、彼らの生活は極めて厳しく、
たとえばメディは、白タクをしたり、
日雇いのきつい仕事をしたりしています。
グループの中には、マルクの恋人であるセシルがいますが、
実は彼女の気持ちは、メディに移っています。
そしてそこに、ルーマニア出身の「渡り鳥」、アガタがやってきます。
彼女を白タクに乗せたことで、
メディは彼女の世話をし始め、
すぐにグループにも紹介されます。
ただその後、そんなに大きなストーリーはないのです。
みんな、お金が欲しい。
そこでメディは、ペイのいい仕事、
借金の取り立て屋の用心棒になりますが、
これは観客の予想通り、
長くは続きません。
自分と似た境遇の人たちの戸口をたたき、
強引に貯金箱を奪ったりするわけですから。
最後は取り立て屋と殴り合いになってしまいます。
また、アガタをメディは半ば恋人関係になっていき、
メディは、自分も彼女と一緒にこのルーベを出たい、
とさえ思うときがあります。
けれど、それはできないのです。
彼の人生は、この土地と深く結び合っているからです。
「渡り鳥」は、やがてオランダへと出発します。
オランダ行きのトラックのドライバーに頼み込んだのは、
メディです。
そして彼は、セシルのところに帰るのです。
ルーベという地味な街の、
小さな移民コミュニティーを描く、
やはり地味な佳作だと思いました。