というわけで、シリーズ第7作。
実質的な完結編を見ました。
(もう1作、戦後のお話があります。)
例の、主人公に弾は当たらない、は、
ここでも炸裂していますが、
この第7作は、
なんといっても敗戦が織り込まれ、
他とは違うニュアンスを帯びています。
印象的だったのは、
敗戦の判明の仕方。
世話になった少尉が率いる小隊が、
きわめて不利な状況に陥ったと知るや、
義理堅い大宮一等兵は、たった一人で駆けつけます。が、
すでにその小隊は完全に玉砕。
そして彼は、敵軍に対して、「一世一代の殴り込み」をかけ、
それを奇跡的に成功させます。
そして少尉が失った「栄光の」軍旗を取り返すと、
兵舎に戻るのですが、そこで彼は知るのです、
戦争は、「終わっていた」ことを。
映画はまったく強調しませんが、
軍旗を守ろうと玉砕した小隊は、
そして「殴り込み」で死んだ日本兵も、
まったく無駄なことだったわけです。
誠実で将来ある少尉の死も、犬死にだったのです。
ここに、制作者の一つのメッセージを見出すことができるのでしょう。
戦争ほど、馬鹿げていて、おそろしい無駄は、ないでしょう。
大宮一等兵も、有田上等兵も、
たしかに戦わざるを得ない場合はありました。
でも二人は、決して、
お国のために戦ってはいませんでした。
封建主義の中で腐敗した陸軍こそ、
彼らの敵でした。
そうした基本的スタンスがあるからこそ、
つい、第7作まで見てしまったわけです。
(でもやっぱり、第1作がベストでしょうか。)