2018年6月12日火曜日

『一瞬の夢』

ジャ・ジャンクーのデビュー作品、

『一瞬の夢』(1997)

を見てみました。
山西省の小都市を舞台に、
スリで生計を立てるワカモノの物語です。

https://www.youtube.com/watch?v=TfOLTYNIprE&t=57s

彼、ウーは、もう何年もこんな生活を続け、
警察でも有名人です。が、
かつての仲間にして親友は、
今では足を洗ってそこそこの企業の社長となり、
地方の官僚となった離れて住む兄は、
「都会」の裕福なお嬢さんと結婚することになります。
一方、彼が好きになった(特殊な)カラオケ店で働く女性は、
ウーの知らない金持ちの愛人となり、
別の町へと去ってゆきます。
そしてウーの住む町にも、
開発の波が押し寄せています。
そう、周りの人間たちも、町も変わってゆくのに、
ウーだけは、昨日までと同じ生業を生き、
ついにまた、警察のやっかいになります。
通りの電柱(?)に手錠に繋がれたウーの姿は、
まさに、ここから動けない人間そのものです……

『罪の手ざわり』に比べると、
こちらの作品のほうが、
はるかに好感が持てました。が、
まだ少し、食い足りない気もしますが。

実はこの映画、
中国からの留学生たちと一緒に見ました。
看板だの、ラジオ放送の内容だの、
いろいろ細かいことを教えてもらって、楽しかったです。