2018年6月22日金曜日

『やさしくキスをして』

ケン・ローチ監督の、
2004年の作品、

『やさしくキスをして』

を見てみました。
よかったです。

https://www.youtube.com/watch?v=Y2YNgMqXh4I

スコットランドのグラスゴー。
パキスタン系(つまりイスラム)一家の一人息子カシムは、
大学を出た後、
クラブでDJをしています。
夢は自分の店を持つことで、
友人とともに出資者を探しています。
そんな彼が、ある女性に出会います。
それは、妹であるタハラの高校の音楽教師、ロシーンです。
アイルランド系でカトリックで、金髪の白人。
19歳の時結婚したものの今は一人です。
タハラの高校でのちょっとしたもめ事をきっかけに二人は出会い、
そこから、カシムのはアタックがはじまります。
が、
2人の距離が近づけば近づくほど、
2人の間の「差」が際立ち始めます。
カソリックとイスラム、
白人と「黒人」。
そして2人が「愛」を貫くことは、
それぞれにとって、
自分が属するコミュニティーからの離脱を意味するのです。
「愛」というのは、「ふつう」は、
美しいものです。
でもそれがここでは、
さまざまなトラブルの元凶なのです。
しかも二人は、
さまざまな「差」を越えて愛し合っているのに……
なんという皮肉でしょう。

えいがは、この辺の感じをうまく描いていて、
秀逸です。
特に、ロシーンを演じるエヴァ・ブリストルはとてもいい感じ。
やっぱり、主役が魅力的に見えるっているのは、
いい映画の条件ですね。