前期も終わりが近づいてきて、
授業で取り上げられる映画もあと2本くらいになりました。
このところ扱っているのは、
『わたしは、ダニエル・ブレイク』
『クロワッサンで朝食を』
『アンジェラ』
などです。
どれもそれぞれにいい映画だと思っています。
『わたしは、ダニエル・ブレイク』は、
まだ5回くらいしか見ていないですが、
いつ見てもグッときます。
緊縮政策というものの実態が、
強くえぐり出されていると言えそうです。
途中、何度も職業紹介センター(jobcentre plus)が登場し、
その非人間的なやり口が描かれるのですが、
これに対して、現役の職員が抗議しているという記事が、
ネット上にありました。
わたしたちはもっと誠実だ、というのです。
それに対しケン・ローチは、
わたしたちは十分に調査し、
実際に働いていた人にもたくさんインタヴューした、
事実に基づいている、と反論していました。
どちらも本当かもしれませんが。
『クロワッサンで朝食を』は、
原題は、「パリのエストニア人女性」ですから、
まずはエストニアを調べなくてはなりません。
そして主人公が移民を決断する根底にあるのは、
どうやら「孤独」のようです。
(もちろん、パリへの憧れもあります。)
この辺が、ほかの「移民映画」と違うところでしょう。
(その分、「甘さ」もあるのですが。)
『アンジェラ』には、ちょっと驚かされました。
単純に、
美しい白黒のパリを学生に見せようと思っただけなのですが、
久しぶりに、そしてじっくり見てみると、
さまざまな解釈の余地があることに気づきました。
(なんなら、論文が書けそうです、書かないけど!)
みんな、AmazonPrime で見られます。