2020年7月14日火曜日

3本

前期も終わりが近づいてきて、
授業で取り上げられる映画もあと2本くらいになりました。
このところ扱っているのは、

『わたしは、ダニエル・ブレイク』
『クロワッサンで朝食を』
『アンジェラ』

などです。
どれもそれぞれにいい映画だと思っています。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』は、
まだ5回くらいしか見ていないですが、
いつ見てもグッときます。
緊縮政策というものの実態が、
強くえぐり出されていると言えそうです。
途中、何度も職業紹介センター(jobcentre plus)が登場し、
その非人間的なやり口が描かれるのですが、
これに対して、現役の職員が抗議しているという記事が、
ネット上にありました。
わたしたちはもっと誠実だ、というのです。
それに対しケン・ローチは、
わたしたちは十分に調査し、
実際に働いていた人にもたくさんインタヴューした、
事実に基づいている、と反論していました。
どちらも本当かもしれませんが。

『クロワッサンで朝食を』は、
原題は、「パリのエストニア人女性」ですから、
まずはエストニアを調べなくてはなりません。
そして主人公が移民を決断する根底にあるのは、
どうやら「孤独」のようです。
(もちろん、パリへの憧れもあります。)
この辺が、ほかの「移民映画」と違うところでしょう。
(その分、「甘さ」もあるのですが。)

『アンジェラ』には、ちょっと驚かされました。
単純に、
美しい白黒のパリを学生に見せようと思っただけなのですが、
久しぶりに、そしてじっくり見てみると、
さまざまな解釈の余地があることに気づきました。
(なんなら、論文が書けそうです、書かないけど!)

みんな、AmazonPrime で見られます。