2020年10月28日水曜日

1コマが大事

あんまり「大変だ~」って言いたくないんですけど、
先週末から今週初めは、
オンライン授業の準備、けっこう大変でした。
それもこれも、

映画『判決、ふたつの希望』

の解説が、かなり込み入っていたせいです。
調べることも、確認すべきことも多くあり、
まずはそれらを片っ端から片付けていき、
学生の常識からみて必要そうなことをピックアップし、
わかりやすそうな順番に並べ、
順にパワポにしていくわけです。
結局でき上ったものは3本。

1)状況説明(48分)
2)分析準備(40分)
3)分析例   (48分)

となり、
1コマの時間(100分)を越えてしまいました。
まあ、学生は「長すぎ!」と思うでしょうが、
今回ばかりは許してもらいましょう。

最後の「分析例」は、
とりあえず3通りしてしておきました。

①主人公二人の対立は、レバノン内戦の再現である
 ただしその背景には、この内戦の記憶が、
 「恩赦法」などによって封印されてしまった、
 ということがあります。
 その点を指摘するのが大事、としました。

②主人公ふたりは、ともに「難民」だ
 一方は「ダムール虐殺」の、
 他方はもう、放浪のパレスチナ難民です。
 この両者が難民となってゆく過程の対比が、
 映画の構造にもなっている、と考えてみるわけです。

③「男」と「女」の対立
 主人公二人、そしてかれらを取り巻く「男」たちは、
 みな一様に「マッチョ」です。
 (戦争を引き起こしてきたのは、いつだって「マチズモ」なのです。)
 彼らに対比されているのが、
 主人公たちの妻たち、女性弁護士、などです。
 この対立軸で見るのは、「映画を見る」練習になると思います。

というわけで今回は、
この「ワールド映画」の1コマを充実させるため、
週末丸ごと使い切りました!