『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』
を見終わりました。
これは……
まあ、40点くらい? でしょうか。
出だしの数話はそんなに悪くなかったのですが、
回を追うごとに質が低下した印象です。
この内容なら、半分以下の時間に編集できるでしょう。
人物たちの「行動」が少なく、
やたら対面して説明するので、
「ドラマ」チックじゃないし。
仲良しの女性二人、ジナとギョンソン。
ジナの家庭は中の上、
一方ギョンソンの母親は早く亡くなり、
父親は他の女性と去り、
ギョンソンは弟のジュニを苦労して育ちました。
で、ジナが、ジュニと恋に落ちるのですが、
ジナの母親は猛反対し……
というお話。
またジナは、コーヒー・ショップをチェーン展開する会社で働いていて、
ギョンソンはその一店舗の店長。
ただこの会社、ひどいセクハラが蔓延していて、
ジナはそれとも戦わなければなりません。
以下ネタバレします。***************
ポイントを握る人物は、ジナの母親ででしょう。
彼女は、ギョンソンやジュニを、
「実の子よりかわいがった」と言いつつ、
その正体は上からの同情で、
ジュニがジナと恋愛関係にあることを知った途端、
態度を一変させます。
こんな、両親もいない、家柄の悪い、
一流どころか大学も出ていない男なんか、
というわけです。
そして娘には、あなたのため、と言いながら、
自分の価値観を押し付けることをやめず、
女の幸せは結婚に、しかも家柄のいい男性との結婚にある、
と信じて疑いません。
(彼女が怒鳴り始めると、いつも音を消していました。チョーうるさい。)
でも……
この毒親のおかげで、
ジナとジュニの恋は破綻します。
ジナは負けるのです。
さらに彼女は、セクハラ訴訟でも故なきバッシングを受け、
勝訴したものの、実質負けたように見えます。
二連敗です。
で……
ジナの母親は「女性」ですが、彼女が象っているのは、
実は、男性中心主義、であるように見えます。
自立しようとする女性の足を引っ張り、
男性中心的な構造への挑戦を諦めさせようとするわけです。
ミソジニー、と言っていいでしょう。
競争に勝ち残った男性を見つけてゲットすること、
それこそが女のすべきことだ……
だとすると、
ジナの二連敗は、
ともに男性中心主義的社会を愛艇にした結果だということになります。
実際ジナは、強く「処罰」されます。
倉庫係に左遷され、
愛する男性はアメリカに行ってしまい、
その原因は自分だと思い込まされてしまうのです。
ジナとジュニは、
こうしたことに気づいていません。
気づいて、無視したり、かわしたりはできないのです。
見てるこちらは、2人を応援しているのですが、
彼らもまた煮え切らず……
というわけで、
いろいろイラっとするドラマでした!