2024年7月17日水曜日

『キャロル』

レズビアン映画として知られる

『キャロル』

を、大学院ゼミの、前期最終回に見ました。

この映画は、
わたしも院生たちも見たことがあったのですが、
『クィア・シネマ』(菅野優香)
という本で取り上げられていて、
それを読むと、
ええ、そうだったったの!?
という点がいくつもあったので、
見直したというわけです。

本に書いてあった点、
たとえば「ブッチ/フェム」が一瞬登場するとか、
原作小説にはないアイゼンハワー大統領の名前が聞こえるとか、
その通りでした。
(ぜんぜん気づいてませんでした!)
そしてその2点の「意味」が、
本の中で説明されているんですが、
なるほどなあと、勉強になりました。

ただ、
「物語世界の人物とは関係のない視点から撮られたショット」によって、
「現在からの視線」が表現されていると書かれているのですが、
それがどこを指しているのか、よく分かりませんでした。
そういうショットは、一般的にあるものだし、
『キャロル』の中に、
そういう一般的なものとは明らかに違う、
と感じられるショットは見つけられず、
それがちょっと残念でした。
(もちろん、とても勉強になる本であるのは間違いありません。)

同じ章にで、
ヒッチコックの『見知らぬ乗客』も取り上げられています。
もちろん見たことはありますが、
これもまた、もう一度見る必要がありそうです。

そして『キャロル』ですが、
とても好きな映画でしたが、
今回見ても、やっぱり好きでした。