2024年7月26日金曜日

 『座頭市物語』『座頭市 地獄旅』

先日見た「座頭市シリーズ」17作、
『座頭市 血煙り街道』(1967)が素晴らしかったので、
シリーズの中でも、
同じ三隅研次監督&牧浦地志撮影、の2作品を見てみました。

『座頭市物語』(1962)第1作
『座頭市 地獄旅』(1965)第12作

中学生の頃以来なので、何年振り……?
でも、
特に『地獄旅』の方の、
成田三樹夫扮する浪人と座頭市の「目隠し将棋」のシーンは、
記憶の中の映像とほぼ同じでした。
(ただし、白黒だったような気がしていました。
というか、白黒の小さなテレビで見たのかも。
自分用の、ほんとに小さなテレビ、持ってたんですね。)
この映画では、ショットの奥行きが、
度々強調されていました。
また、女性が好意を示した時、
「俺は泥なんだ。俺に近づくと泥を浴びる……」
と言う座頭市は、
幸福を禁じられた存在として、際立つものがありました。

『座頭市物語』は62年ということで白黒で、
なんというか、レンブラントみたいな陰影でした。
ここでも(というかこちらが先ですが)、
やはり女性が好意を示しますが、
市はそれを跳ねつけます。
もちろん、相手を思ってのことです。

そして!
この両作に登場する女性はともに「おたね」です。
そこには、遠い響き合いが(はっきり)あります。

ただ、ここまで見た3作の中では、
『血煙り街道』が一番良かったかな。
もっと見たいです。