2024年7月13日土曜日

「ドラァグ」

今、たまたま見かけたサイトにあった文章。
備忘のためにコピペします。
「呼びかけ」について検索していて、出てきたものです。

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ルイ・アルチュセールが定式化したイデオロギーの「よびかけ」という考え方です。
アルチュセールは、
警察官が歩いている人に「おい、お前」と呼びかけるという例を使います。
自分のことかなと思ってふりかえることで、
その人は警察官の持つ法の権威に従う主体として位置付けられます。
このふりかえりは強制されたわけではありませんが、
自発的に従属化されるというわけでもありません。
その間のあいまいな行為です。

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『ジェンダー・トラブル』で説明されたのは、
男性が女性としてドラァグを演じるとき、
女性性が模倣であることが強調されるということです。
この効果は、もともと女性が女性を模倣して演じているにすぎないことを、
明示的な「模倣」によって暴くという意味で、
男女の力関係の批判を超えて、
ジェンダーの構造全体を批判をしているわけです。
これに付け加えて、ここではバトラーは、
ドラァグは、異性愛のメランコリー、つまり同性愛をありえないものとして排除し、
排除され哀悼できないという形式で保持し、
異性愛の規範をより強固にしてきた構造を暴いていると言うのです。
つまり、排除されているために絶対に表に出せないものを表現するという意味で、
その政治性はかなり危険でラディカルなものとなっているのです。
ジェンダーはもともとパフォーマンスにすぎないのですが、
同時にパフォーマンス不可能なものとして排除されたものを、
あえてパフォーマンスしてみせるという二重の批判があることになります。


内容そのものが複雑ですが、
分かりやすく書かれていると思いました。
(「ドラァグ」、好きです!)