ポルト・ドレにある歴史移民館。
これはかつて、植民地博覧会が開かれた場所で、
つまり、
「植民地主義の歴史」を反省する代わりに、
それを「移民統合の歴史」というお話に置き換えた結果出現した、
比較的新しい施設です。
展示内容は、もちろん、
様々な角度から、移民とフランスの関係を捉えたものです。
こうした資料的なものが中心ですが、
中にはアート寄りのものもあります。
(ただあまりアートに寄っていると、
なんらかの意図を読みたくなってしまいますが。
まあ、今はそれは置いておいて。)
ところで、会場の一角に、
フランスのこういう場所では珍しく自販機があり、
そこで一人の女性が、なにか買おうとしていました。
ちょうどいい、飲み物でも買うか、
と思って近づき、
商品は何かと覗き込んでみると、なんと、
パスポートがたったの70サンチーム! そして
『3日で郊外風のアクセントで話せるようになる方法』
なんて本も売っています。
そうです、もちろんこれは、全体が作品で、
女性はマネキンなのでした。
作品のタイトルは、「理想の機械」。
おもしろいんですが、切なくもあります。