2015年8月29日土曜日
『バレッツ』
まだ、なんとなく、
パリへの逆ホームシック(?)から抜けられないでいますが、
そろそろちゃんと仕事しないと。
というわけで、
とりあえず一本見てみたのが、これです。
『バレッツ』 (22 Bullets / L'Immortel )
これは、
舞台がマルセイユであること、
監督がリシャール・ベリであること、
で気になっていた作品です。
主演はジャン・レノで、
リシャール・ベリ自身も、
チョイ役で顔を見せています。
https://www.youtube.com/watch?v=jG9ZtAA9ru0
話しは、いわば型通りで、
足を洗って静かに暮らしていた元大物ギャングが、
ある日かつてのライバルに銃撃され、
不可避的に、
ギャングの世界に舞い戻る、家族を守るために、
というわけです。
愛あり、冷血あり、優しさあり、獰猛さあり、無常あり、
で、
ちゃんとできたフィルム・ノワールだと思いました。
舞台はマルセイユで、
ところどころで、
ノートル=ダム・ド・ラ・ギャルドやら、
サント=マリー・マジョールやらが登場します。
特に後者は、
警察署のすぐ隣なので、
取調室の窓外に見えていたり。
また、主人公マテイの家族が隠れ住むのは、
どうもアヴィニヨンのようです。
かつての教皇庁や城壁が、
背景に映っているので、わかります。
そして、ジャン・レノはスペイン系ですが、
対立するボスを演じるカド・メラッドは(見てわかる)アルジェリア系、
もう一人のボスを演じるベリはユダヤ人です。
また、女性刑事の殉職した夫(エリ・ゴールドマン)も、
完全にユダヤ人。
彼女の上司である警察署長は、ヨーロッパ系白人。
というわけで、
様式的なフィルム・ノワールですが、
民族構成は、決して古いタイプではありません。
エンターテイメントですが、
わたしには面白い映画でした。