2018年9月10日月曜日

『グッバイ・レーニン』

2003年公開の、
とても有名と言ってもいい映画、

『グッバイ・レーニン』

を見てみました。
わたしは初めて見ました。(Amazon Prime で。)

https://www.youtube.com/watch?v=4SL8zZt5XKc

今から15年前の映画で、
さらに、
映画の舞台となっているのは、
ベルリンの壁崩壊(1989)前後ですから、
公開年の14年ほど前です。
(つまり、ベルリンの壁崩壊から、
来年で30年も経つんですね。)

映画の設定はコメディー的で、
東ドイツを深く信奉する母親が倒れ、
8か月間昏睡している間に、
壁は崩壊し東西は統一。
でも、どんな小さなショックもダメ、と医者に言われた息子は、
東ドイツがなお存続しているというフィクションを、
ベッドにいる母親の前で繰り広げる、というお話です。
この母親の夫は、
10年以上前に、西に亡命しています。

今見ると、コメディーとしては、
テンポが遅いと感じられました。
やや説明的な部分もあるし。
で、そう思いながら見ていたのですが、
見終わって考えてみると、
(単純なことではありますが)
要は、この母親は西ドイツの象徴なわけですね。
壁が崩壊した今、
それはもう存在しないのだけれど、
人々の記憶の中にだけは確かに存在するわけです。
東ドイツへのレクイエム、
なんですね。
そう考えると、なかなか捨てがたい映画なのかなと感じました。
(そして西へ行った夫は、
民族分断を象るわけなのでしょう。)
ただ個人的には、
レトロスペクティヴなのはあまり好みではなんですけどね。

*主人公の仕事仲間を演じたフロリアン・ルーカスは、
この映画では、ヒロインに寄り添う優しい男を演じていました。

http://tomo-524.blogspot.com/2018/07/letrangere.html

ここでは彼が、優しいドイツ、でした。