2018年9月5日水曜日

『ダンケルク』

去年の夏ごろ公開され、
世界で大ヒットした映画、

『ダンケルク』

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=WaGE0evEpgQ

この映画は、1940年、
つまりWWⅡの初期、
ダンケルクの沿岸に追い詰められた英・仏の兵士40万人を、
いかに救出するかという作戦
(いわゆるダイナモ作戦)
を描いたものです。

構成は少しひねってあって、
「一週間」としての陸、
「一日」としての海、
「一時間」としての空が、
クロス・カッティング的に繋がれてゆきます。
(ただ、時間の圧縮度が違うので、
ちゃんとしたクロス・カッティングではありません。)
この構成、なんの意味があるのでしょう?
基本的には、それぞれの場所で、
時間の流れ方が違う、ということなのでしょう。が、
むしろこれは、
映画内の緊張感を長く保つための方便にも見えました。

「感動」的な作品なのでしょうが、
結局は、
国のために死ぬことを「美」としている点で、
わたしは受け入れがたいです。
こんなオチに至っている時点で、
凡庸なエンタメとしか言いようがありません。
たしかに、「撤退」することを描き、
なんでもかんでも進軍、
という(インパール作戦のような)無謀さは初めからありませんが、
それでも、最終的には同じことでしょう。
民間人が軍に協力する行為を、
英雄的で素晴らしいものとして称揚するのも、
(それをしている個人個人の気持ちは尊いとしても)
結局は戦争肯定に繋がる気がします。

それにしても、戦争って、
なんと壮大なムダなことでしょうか。

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映画のデキとは別として、
このダイナモ作戦が行われたダンケルクは、
こんな映画とも関係がありました。

http://tomo-524.blogspot.com/2013/02/blog-post_17.html

http://tomo-524.blogspot.com/2018/03/comment-jai-rencontre-mon-pere_12.html

そして、あの『最強のふたり』の中で、
フランソワ・クルゼの文通相手の女性が住んでいたのが、
ということはラストシーンも、
ダンケルクなわけですね。