突っ込みどころは多いものの、
それでも見たくなるウ・ヨンウに導かれて、
全16話、見終わりました。
このドラマの登場人物たちは、
ウ・ヨンウの女友達一人を除いて、
性的なニュアンスをまったく感じさせませんでした。
それは、韓国ドラマの中でも、かなり異色だと思いました。
(その女友達だって、ほんの少し感じさせるだけです。)
つまり、そういうものを排除した「おとぎ話」なわけです。
それはそれで、いいと思います。
もう1点思ったことがあります。
ヒロインのウ・ヨンウは、
自閉症スペクトラムという障害を持っていて、
それを自覚的に生きているわけで、
視聴者は、そういう人として、
心配したり、戸惑ったり、応援したりしながら、見ているわけです。
それはそうなんですが、
おそらく視聴者は誰でも、
ある程度、「ウ・ヨンウ的なるもの」を内面に持っているのです。
もちろん程度の差はさまざまあるでしょう。
でも、たとえば、
人前でつい身のこなしがギクシャクしてしまう、
新しい空間に入るとき緊張する、
つい自分の頭の中で考えていることに気を取られる、
他人と肉体的接触をするのが苦手、
なんでも食べられるわけじゃない……
こうしたウ・ヨンウの特徴は、
一切何も、まったく当てはまらない、
という人はいないんじゃないでしょうか?
つまりわたしたちはみんな、ある程度「ウ・ヨンウ」なのでしょう。
だから、ウ・ヨンウを応援することは、
なんとかかんとか生きている自分を応援することにもなるのでしょうし、
ウ・ヨンウががんばっている姿には、
励まされるわけです。
きっとここが、
このドラマのポイントなのだと思いました。
そしてウ・ヨンウは子どもっぽい可愛さがあるし、
性的なものとは無縁なので、
応援しやすくもあるわけです。
突っ込みどころが多くても見ちゃうのは、
こういうことなんだろうと思っています。