2023年4月8日土曜日

『てんやわんや』

アマプラで、

『てんやわんや』(1950)

を見てみました。
監督は渋谷実。
主演は佐野周二。
そして、淡島千景にとっては、映画デビュー作です。
(今気づいたんですが、ouTubeに全編版がありました。
アマプラでお金払う必要なかった!)


この映画を見たのは、淡島千景を見たいがため。
ところが残念ながら、
そんなに出てこないのです……

気の弱い男性、犬丸は、
昔から世話になっている社長(志村喬)の「腰巾着」。
そして社長の(「妾」と言われている)秘書の花輪さんは、
なぜか犬丸との結婚を望んでいます。
そんな中、
社長に命じられ犬丸は四国へ。
東京に疲れていた犬丸にはちょうどいい仕事でした。
そしてそこで犬丸は、
四国独立を目指す小集団に出会ったり、
若い女性と一夜をともにしたり……
というお話。

淡島千景演じる花輪は、
いわゆる「アプレ」で、
一人だけ浮いています。
初登場のシーンは、ビルの屋上。
ストを決行してる社員たちを尻目に、ビキニで日光浴!
その後の犬丸への「アタック」の姿勢も、
超積極的で、行動的。
おもしろいキャラだと思いました。

1箇所、印象に残ったのは、
四国の山奥の家を訪ねた折、
その家の老夫が、東京から来た犬丸に質問があると言い出します。
そしてその質問とは、

「日本は、本当に、戦争に負けよりましたかいな?」

戦後まだ5年。
こんなことを考えている人も、
いないわけじゃなかっただろうと、思えてきました。