アジア系の男性でした。
英語が下手ですみません、
と言っていた(実際はかなり上手)彼は、
聞いてみると、
2年前、
妻と3歳の娘を連れて移民してきたそうです。
そう、あの武漢から。
もちろんコロナのこともあったそうですが、
それよりも、根本的に、
中国は暮らしにくいと言うのです。
それは、強烈な競争社会で、
就職してからも仕事漬けで、
娘と過ごす時間さえない。
自分もイヤだし、
娘にもこんな人生は送って欲しくないし、
マルタで英語を身につければ、
きっと可能性が広がるだろう、というわけです。
英語ができなくて、
最初の6ヶ月はかなりきつかったけど、
今は安定してる、
5歳になった娘と過ごす時間もある、
と語ってくれました。
途中、中国の改革開放に関連して、
鄧小平の名前も出ましたが、
彼はよく知っていました。
(以前、パリの中国系の、もっと若いドライバーと話していたとき、
彼が鄧小平の名前を知らなかったのが記憶にあったので、
ちょっと聞いてみたかったのでした。)
でもなぜマルタなのか?
それは、気候もいいし、
お金を出せば、長期間の滞在許可証がもらえるから、
だそうです。
下りる間際、
お嬢さんの写真見せてくれる?
と頼むと、
とてもいい笑顔になって、
スマホのアルバムをず~~っとめくって、
おそらく写真館で撮っただろう、
とても可愛い写真を見せてくれました。