2023年8月24日木曜日

武漢から



美しいマルタで最初に乗ったウーバー・タクシーのドライバーは、
アジア系の男性でした。
英語が下手ですみません、
と言っていた(実際はかなり上手)彼は、
聞いてみると、
2年前、
妻と3歳の娘を連れて移民してきたそうです。
そう、あの武漢から。

もちろんコロナのこともあったそうですが、
それよりも、根本的に、
中国は暮らしにくいと言うのです。
それは、強烈な競争社会で、
就職してからも仕事漬けで、
娘と過ごす時間さえない。
自分もイヤだし、
娘にもこんな人生は送って欲しくないし、
マルタで英語を身につければ、
きっと可能性が広がるだろう、というわけです。
英語ができなくて、
最初の6ヶ月はかなりきつかったけど、
今は安定してる、
5歳になった娘と過ごす時間もある、
と語ってくれました。
途中、中国の改革開放に関連して、
鄧小平の名前も出ましたが、
彼はよく知っていました。
(以前、パリの中国系の、もっと若いドライバーと話していたとき、
彼が鄧小平の名前を知らなかったのが記憶にあったので、
ちょっと聞いてみたかったのでした。)
でもなぜマルタなのか?
それは、気候もいいし、
お金を出せば、長期間の滞在許可証がもらえるから、
だそうです。

下りる間際、
お嬢さんの写真見せてくれる?
と頼むと、
とてもいい笑顔になって、
スマホのアルバムをず~~っとめくって、
おそらく写真館で撮っただろう、
とても可愛い写真を見せてくれました。