2023年8月18日金曜日

カルナヴァレ美術館


大改装を終えたカルナヴァレ美術館、
どう変わったのか、見に行ってみました。

とはいえ、前回行ったのはもう10年も前で、
はっきり覚えているわけではないのですが、
たしかに、みた記憶のないものも多く、
だいぶ厚みが増したように感じました。
もちろん、
「パリの歴史」
という、
あまりに巨大なテーマを掲げているので、
飛び飛びだし、
必ずしも多層的でもないですが、
まあ、東京で、このテーマで、
ここまでのものが見られる可能性はほぼゼロでしょう。
その意味では、やっぱり貴重です。
(しかも無料!)

ちょっとおもしろかった(?)のは、
17世紀のパリの、畳1畳ほどもある地図の前での出来事。
フランス人の、わたしの変わらないくらいの年齢の夫婦が、
モンマルトルはどこ?
マレは?
などと言いながら、地図のそこここを指しているのですが、
まあ、全部間違ってるわけです。
というのも、
そもそも右岸と左岸を取り違えているから。
いつ気づくかなあ、と思ってしばらく聞いていたのですが、
これが全然気づく気配がなく、
どんどん話が変な方向に進むので、思わず、
「モンマルトルはここで、マレはこっちだと思いますよ」
と声に出てしまいました。
奥様は一瞬驚いた表情で、
でも、ここは?
それはポン・ヌフ。
ええ?
で、ここに、やがてバスチーユができるわけ。
え? ああ、そうか! わかった!
と言った後に、
どちらから?
日本です。
と聞くと、
あら私、日本人に教えてもらっちゃった!
と、周りの人たちにやや大きな声で言い、
するとその辺にいたお客さんたちが、
みんなが一斉に笑うという……

もちろんこの奥さんの言い方は、
ほんとにあらら、
という感じで、まったく差別的な印象はありませんでした。

そしてこの手の地図については、
何しろ授業でも使うので、
たまたまわたしは慣れているのであって、
決して、わたしが特に物知りということではありません。
それにしてもまあ、
ちょっとおもしろい感じではありました。