大ヒットしたというBBC制作のドラマ、
そのシーズン1を見てみた(アマプラ)んですが、
引き込まれました。
このドラマ、何というか、
「物語」を繰り延べていく、展開させていく力がとても強くて、
無駄も隙もありません。
緊張感も、過度にならない程度に持続し、しかも山場もある。
この辺は素晴らしかったです。
ただ、単純なズーミングが説明的で、
それは「映画」的ではなかったですが、
それを差し引いても、90点以上はつけられるドラマだと感じました。
……というのが第一印象なんですが……
<ここから、ややネタバレ含みます>
たとえば、女性の描き方はどうか?
トータルで5時間ほどのドラマの中で、
名前付きで登場する女性は3人。
まず、実業家である中年女性。お金持ちでルックスもいい。
そして汚職の嫌疑をかけられた警部の妻。
(警部はアフリカ系ですが、彼女はヨーロッパ系で、
イギリス風のアクセントが強い気がします。
どこか、特定の地方かどうかは、わたしには分かりませんが。)
3人目は、比較的若い刑事。ショート・ヘアで、行動的。
この3人のうち、
一人の描き方にはミソジニーが滲んでいるように思います。
また別の一人の場合は、やや古いステレオタイプ。
最後の一人だけが、「新しい」女性で、
彼女がいなかったら、かなりまずかったでしょうが、
3人の中で彼女が一番出番が多いので、何とか救っている感じです。
ただ、
男性たちは、より深く、行動も、内面の葛藤も描かれています。
舞台が警察で、主人公二人が男性なので、
どうしてもそうなるとも言えますが。
ただ、あえて厳しく言えば、
男性たちはややヒロイックで、ナルシスティックで、独善的でもあります。
ただそうした彼らを描くときにも、そして「物語」的にも、
やや突き放した感じはあるので、それも救いといえば言えるでしょう。
ただこれは、2012年の作品です。
この後のシリーズで、
こういう点が変化しているのかどうかも、注目点です。