2011年4月11日月曜日

Mariage Tardif


イスラエルを舞台にした、Mariage Tardif 『遅い結婚』という映画を見てみました。
(フランス語字幕を頼りに。)

http://www.youtube.com/watch?v=0EHSUGZflw8&feature=related

ストーリーは、単純と言えば単純で……
32歳の大学院生ドゥビーは、
家族から早く結婚するようにせっつかれています。
そして知り合いからは、とても美しい17歳の少女を紹介されたりもします。
でもドゥビーには、彼女(ロニ・エルカベッツ)がいます。
その彼女は、彼より3 歳年上で、離婚歴があり、
5歳くらいの娘のいる、モロッコ人です。


これらのほとんどは、ユダヤ人家庭の嫁としてふさわしくないとして、
家族は猛反対、無理にでも別れさせようとして……
というわけです。

これを見てみようともったのは、アマゾンのレヴューで、
ユダヤ人コミュニティーの持つ残酷さ、
みたいな書き込みがあったからなんですが、
たしかに、頑なさはそうとうでした。

主人公のドゥビーは、テル・アビブ大学で哲学の博士論文を準備中です。
ということは、監督のDover Kosashvili のかつての境遇に近い、
と言っていいのでしょう。
監督は、1966年にグルジアに生まれ、
77年以降はイスラエルに住んでいるのですが、
まさに彼も、テル・アビブ大学で、哲学(と映画)を学んだのでした。

先日見たフランス映画、『リトル・エルサレム』に比べると、
特に主人公の振る舞いが、わたしたちの感覚からしても、
フツーに映りました。
だからこそ、頑なな家族とのコントラストは強まるのですが。
これは当然ながら、監督の資質の差によるところも大きいのでしょうが、
もしかしたら、イスラエル外のユダヤ人コミュニティーにおいてこそ、
より古風な価値観が保存されているという場合も、ありえるのかもしれません。


*離婚歴のあるモロッコ人女性を演じたロニ・エルカベッツは、
『迷子の警察音楽隊』にも出ていました。

http://www.youtube.com/watch?v=bz_FB4B763Q&playnext=1&list=PL3BBFCA1A406FBC79

ロニの両親は、モロッコからイスラエルに移民してきて、
64年、彼女が生まれたようです。