2015年9月2日水曜日
Mohamed Dubois
「アラブになるためなら、彼はなんでもするだろう」
というキャプションのコメディ映画、
Mohamed Dubois
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=h13SACUDg4o
主人公は、Arnaud Dubois。
このアルノーは、
ある銀行の頭取の一人息子で、
父親の銀行で働いていました。
けれどある日、
アラブ人の融資にかかわるごたごたから、
唐突に銀行を辞めてしまいます。
とはいえ実は、本当の理由はこのごたごたではなく、
彼が、なぜか完全にアラブ系の容貌をしており、
ヨーロッパ系白人の両親にまったく似ていないため、
自分はこの両親の子供ではないんじゃなかと、
ずっと疑ってきたのですが、
その疑いがついに爆発したのです。
それからのアルノーは、
アラブ社会に入り、「モアメッド」として生き始めます。
アラブの友人を持ち、
彼らと働き、
アラブの女の子に恋します。
でも……
この女の子とついに結婚、となった時、
アルノーと父親の親子関係が、
DNA検査によって証明されるのです。
彼はやっぱり、モアメッドではなく、
アルノー(というヨーロッパ系白人的名前)なのです。
さあ、これを彼女に打ち明けなければならないんですが……
というお話し。
テンポがよく、
アルノーを演じるエリック・ジュドール
(お笑いコンビ「エリック&ラムジー」のエリックです)
の感じもいいし、
楽しめるコメディでした。
中心となる舞台は、クレテイユ。
そしてアルノーの友人たちが新たに店を出すのが、バルベス。
また、デュボワ家の家政婦として、
ビウーナが(またしても)存在感を発揮します。
(クレテイユに向かうアルノーが、
「アフガニスタンに行くんじゃないよ」
と言うと、
「もっと悪いの!」
と言い放ちます。)
Cheba Louisa に登場していたアラブ系の俳優たちの顔も見えました。
ひとつ細かいことを言うと、
仮面パーティーの場面で、
国民戦線のマリーヌ・ルペンの仮面をつけた女性が、
廊下でイカガワシイ行為に及ぶ場面があります。
あらあらと思っていたら、
なんとそれは女性でさえなく、
サン・パピエの長髪男性なのです。
(彼はラストで強制送還されますが、
「すぐにもどってこられるよ」と言います。)
コメディとはいえ、
かなり強烈な皮肉でした。