2017年6月11日日曜日

Vilaine

2008年のフランス映画、

Vilaine

を見てみました。
このタイトルは、形容詞 vilain の女性形ですが、
意味は、映画の中のいろんな文脈に当てはまるので、
一つには決められません。
ロワイヤルの訳語を使うなら、
見苦しい/下劣な/いたずらな
という感じです。
なかなか面白い映画でした。

https://www.youtube.com/watch?v=v9Bt4jUZ-xQ

メラニーは、やや太っていて、
きれいじゃない子、という設定。
で彼女は、あまりに気持ちがやさしく、
周囲の人間たちは、近所の人も、
母親も祖母も、祖母のホームの老人たちも、
メラニーが働くダイナー風の店の店長も、
女友達たちも、みんな遠慮なく彼女を利用します。
でも、ついに、
メラニーは気づきます、これじゃだめだ! と。
その日から、彼女の復讐の物語が始まります……

コメディーですから、復讐と言ってもオモシロ系です。
特に、店長を嵌めるエピソードは面白くて、
彼がメラニーに書かせた求人広告に、
彼が口述させた言葉そのものではなく、
白人至上主義のラシストで女好きの彼の本音を書き、
それを掲示させたところで、
労働監視局に通報する、というものでした。
「求む、なんでもやってくれるホール係、
白人で金髪で25~35歳」
これはまずいですね。

この映画、見ればすぐに気づくのですが、
『アメリ』に似ています。
というか、そのパロディーみたい。
ヒロインの名前も似てるし。
(Mélanie Lupin と Amélie Poulain)

メラニー役のマリウー・ベリーは、
ジョジアーヌ・バラスコの娘で、
なんとリシャール・ベリの姪でした。
ということは、クロアチア系でもあり、アラブ系でもある、
ということになるのでしょう。
また、3人の女友達のうちの一人は、
『最強のふたり』にも出ていたジョゼフィヌ・ドゥ・モー。
もう一人は、『最高の花婿』で、
長女役をやっていたフレデリック・ベルでした。

もう9年も前の映画で、
部屋の棚でずっと眠っていたんですが、
見てよかったです。