2022年9月24日土曜日

『MO / モー』

ネトフリ散歩中に見つけたコメディー・ドラマ、

『MO / モー』

を見ています。
おもしろいです。


「モー」というのは、モハメッドの短縮形で、
これが主人公の名前。
で、彼は、
アイデンティティーとしては「パレスチナ人」なんですが、
パレスチナに行ったこともないし、
その市民権もありません。
というのも彼は、パレスチナ難民となった両親が、
クウェートに避難しているときに生まれたからです。
で、その後、1991年、
湾岸戦争のただ中に、
彼は母親に連れられて渡米。
以降22年間、
ヒューストンで
(アストロズの帽子をかぶって)
亡命申請を続けるものの今だに認められず、
不法移民として(つまり労働許可証がないまま)、
コピーの高級時計などを(そういうものとして)売って生きています。
(クウェートに残った父親は2年後に渡米。
けれどもその後拷問を受けて死亡。
拷問の理由はまだ不明。)

もう、この設定だけでおもしろい。
水たばこカフェで、
そうしたパレスチナ人たちとユダヤ人たちが、
お互いにイヤミを言いながら楽しく(!)ゲームしていたり、
投擲系のゲームでは、
パレスチナ人は石投げが得意だからな!
と言われたり。
またモーの彼女は、メキシコ系でクリスチャンで自動車整備工。
これだけ揃えば、
そりゃおもしろいでしょ、という感じで、
実際面白いのでした。

パレスチナの問題は、
たとえば『オマールの壁』などでは真正面から描かれましたが、
『キラキラしてる』や『軌跡の教室』などでは、
そのパリ的な展開があり、
『扉をたたく人』や今回の『モー』では、
アメリカ的な展開が見える、
と言えそうです。
今日も見ます!