オスカーも、
そんなに重視はしていませんが、
一応、
その両方でことし「主演女優賞」を取った作品、
『タミー・フェイの瞳』(2022)
を見てみました。
原作がドキュメンタリーだからなのでしょう、
できあがったこの映画も、
良くも悪くも淡々と時間が過ぎてゆきます。
そしてその中で起こる事件も、みんな、
どこかで見たことがあるものばかり。
たしかに主演のジェシカ・チャステインはうまいと感じますが、
まあ、『女神の見えざる手』のときのほうがよかった、かな。
<以下、ネタバレします>
映画のラストで、
ジェシカが南北戦争の時の北軍のテーマ曲(?)である、
「リパブリック賛歌」を歌うシーンがあります。
その歌っている最終に、
ステージ後方に星条旗が降りてくるのです。
つまり、
「アメリカ」と、その出発点である南北戦争と、
キリスト教が三位一体となる瞬間です。
でもそれは、なんというか、見慣れた景色です。
タミー・フェイも、その夫も、
とくに人間的な魅力があるわけでもない。
深さも、屈折もない。
ジェシカ・チャステイン
(彼女の夫は、あのモンクレールのCEOにして伯爵、だそうです)
は、
この原作の映画化の権利を買い取り、
自ら主演したようです。
この映画に溢れる古い価値観に共鳴したのでしょうけど、
ちょっとザンネン。