2009年9月24日木曜日

『キャラメル』


先日の『シリアの花嫁』は、イスラエルとシリアの国境あたり、ゴラン高原を舞台としていましたが、今回見た映画『キャラメル』の舞台は、レバノンのベイルートです。

レバノン、と聞いただけで、いまだに戦闘の記憶がついて回りますが、この映画の主要場面は美容院であり、3人のヒロインはそれぞれ元気に美しく、かつての戦闘のイメージからはずいぶん離れています。予告編はこちら。


ストーリーとしては、この3人のヒロインの恋の行方が中心になります。恋? まあそう言っていいと思います。映画としては、画面もきれいだし、飽きるところはないし、見ていて楽しいです。フランス人らしき老紳士も登場し、彼が出てくる場面は主にフランス語での会話になります。そういえば、美容院の店名は "SI BELLE"です。(ただし看板のBは、いつも逆向きに垂れ下がっています。)

3人の女性の中でも、中心となるのはラヤーナ(画像・左)なんですが、実は彼女(Nadine Labaki)、この映画の監督でもあります。まだ30台前半なのに、大したものですねえ。

彼女は、これまでにいくつものヴィデオ・クリップの監督もしてきたそうです。その中には、アラブ世界のスターたちも交じっています。たとえば、こんな作品。Nancy Ajram の Enta Eih という曲です。


画面の艶が、『キャラメル』とそっくりです。そもそもNancy Ajram がスターになったのは、以下の Akhsmak Ah のヴィデオ(もちろんLabaki 監督)が切っ掛けだという見方もあるようです。


岐阜県ほどの大きさというレバノンから来た、チャーミングな映画のご紹介でした。