ヌビアというのは、今のエジプトとスーダンの国境辺りの地域のことで、「ヌビア遺跡」は世界遺産なので、この名前を耳にした方もいらっしゃるでしょう。大昔、世界史の授業でもちらっと出てきた、かな?
なぜヌビアを調べる気になったのかと言えば、それは Les Nubians という姉妹デュオがきっかけでした。彼女らはパリで生まれ、父はフランス人、母はカメルーン人。子ども時代はチャドで過ごし、そのあと内戦を逃れてボルドーへ。そしてやがて Les Nubians としてデビューした、というキャリアです。
つまり、彼女らは全然「ヌビア人」ではないのに、なぜかそういうコンビ名なわけです。なぜかなあ? と思いますよね、それは。
結果:よく分からない! でも、少しわかったことは……
「アフリカ」という語の語源については諸説あり、今は「ローマ人がそう名付けた」という説が有力なようです。(ただしそれは、北アフリカのテュニジアあたりを指していたようですが。)で、もしそうだと仮定すれば、「ヌビア」という語は、もちろん「アフリカ」より古いことになります。あえて深読みすれば、「アフリカ」よりさらにアフリカ……
ヌビアは、それにしても、延々と迫害され続けた土地のようです。まずはエジプト人から再三攻め込まれ、その後はローマ人が、キリスト教者が、イスラム教者が、次々に襲いかかりました。そしてこの全期間を通して、ヌビア人は奴隷として連れ去られたそうです、19世紀まで!
またある記述によると、今のエジプトやスーダンでは、ヌビア人=歌や踊りがうまい、というイメージもあるといいます。(真偽のほどはわかりませんが。)
もし、70年代生まれのR&B 姉妹デュオが、こうした文脈で自分たちのコンビ名を決めたのだとしたら…… まあ、そんな風に想像しながら、彼女らの曲を聞いたりしています。たとえばこんな歌;
http://www.youtube.com/watch?v=22HL5ZOOHGI