今日4月6日は、ラファエロの誕生日。
530年前のことです。
それで、というわけではないのですが、
上野の「ラファエロ展」に行ってきました。
(ちなみにラファエロは、命日も今日です。)
チケットやポスターにも使われているのは、
「大公の聖母」。これです。
ラファエロの絵は、きれい。
でもとりわけこの絵のオーラは、ちょっと別格でした。
わりとシンプルでわかりやすい構図、
微細に描き分ける、抜群の技術、
そしてイコン。
わたしのような素人でも、
そんな風に楽しめるのですが、
ただ、キリスト者ではない身には、
宗教的な感銘というのはわかりません。
また、世俗的な絵の場合でも、
描かれる肖像は全員お金持ち。
まあ時代的に言って、それ以外の選択はなかったのでしょうが。
それにしても、
肖像が描かれている人物の誰かに、
自分の中の何かを託すという感覚はありません。
(もちろん、ないものねだりなんですが。)
それで、というわけでもないのですが、
午後から向かったのが竹橋。
近美の「ベーコン展」です。
この近美でのベーコン展と言えば、
学生時代に強烈な印象を受けた記憶があります。
(今調べてみると、1983年でした。)
当時ベーコンは、わたしの周りでとても人気がありました。
あの歪んだ自画像、
あれはオレだ、と、
わたしたちはみな思っていたのです。
そして今日、ベーコンと久々の再会。
これが……
やっぱりいいんですね。
得体のしれない、でも持ち重りのする、影のような何か……
ベーコンの絵の前に立つとき、
20世紀に感じていたその何かが、
今また、生き生きと立ち上ってくるのでした。
今日のベーコン展には、
わりと若い観覧者が多かった。それを見ると、
なんだか親しい後輩たちを見るような気持ちに、
勝手になってしまいました。