あけましておめでとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いします。
というわけで、2015初日、
録画しておいたドラマ、
『ナイフの行方』(前・後)を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=cPiO6ReWcb4
2012年の『キルトの家』のときも書きましたが、
わたしは山田太一ファンです。
彼の書いたセリフ回しを聞いているだけで、
なにかが染み入ってくる感じがします。
もちろんこれだけファンがいるのだから、
同じようにお感じになる方々も多いのでしょう。
そして今回の『ナイフの行方』ですが、
もちろん、おもしろかった。
いくつものセリフにハッとさせられたし、
息が詰まるような瞬間もありました。
短くはないのに、もう、途中でやめることはできませんでした。
俳優陣も、脇役も含めて、達者だなあ、
と思いました。
(特に、合気道の先生役の男優さんなど。)
また構成も巧みで、
物語の時間は、
ナイフ事件を起点として約1か月。
そしてその起点で、
いわば交わるはずのなかったヴェクトルが交差するわけですが、
そのそれぞれは、
「尾」としての過去を引き連れています。
さらに、その一方の過去から、
物語の時間の中に呼び戻される人たちがいて……。
そう、時間の扱いが巧みなんですね。
ただ、
全体としてファンタジー的であることを差し引いても、
こういうバックグラウンドの人は、
こういう物腰でも、こういう物言いでもないはず、
と思うところはありました。
そう、主役の一人、「次男」君のことです。
もし「格差」や「階級」について意識的に語っているのだとすれば、
(もちろんそうなんでしょうけれど)
「次男」の存在は、きれいすぎるようにも思いました。
ともあれ、
またどこかで山田太一のドラマが放映されれば、
必ず見ます。