ちょうど今から100年前に制作されたこの映画、
『国民の創生』(The Birth of a Nation)
サイレントで3時間という、
心の準備がいる作品ですが、
見てみたら、意外にあっというまでした。
https://www.youtube.com/watch?v=vZ871wZd7UY
この映画は、毀誉褒貶相半ば、なんでしょうか。
(日本では、「誉」のほうが勝っているかもしれませんが。)
世界大百科事典をコピペすると、
「 〈映画芸術の父〉D.W.グリフィスが1915年に製作・監督した12巻,
2時間45分の大作(1930年に音楽と効果,音入りの短縮版がつくられた)。
アメリカ映画史上の偉大な古典であるとともに,
そのあからさまな人種偏見(黒人差別)ゆえに
アメリカ映画史上最大の恥ともみなされる作品。
黒人の役はすべて白人が黒塗りで演じた。
原作はトマス・ディクスンの小説(舞台劇にもなった)《ザ・クランズマン》。
黒人が奴隷として売られるところから始まり,
白人の男(主人)が黒人の女(奴隷)に産ませた混血黒人の誕生,その反乱,
黒人圧迫集団KKK(クー・クラックス・クラン)の暴虐(と活躍)が,
黒人奴隷を使用する南部の綿花農園経営主一家と
黒人解放論者である北部の上院議員一家の交流と対立を中心に,
南北戦争,リンカンの暗殺といった歴史的事件をまじえながら,
壮大な叙事詩のように描かれる。」
ああ、そうでしょうとも!
見どころの一つは、
ムラトー(混血)であるリンチが、
自分を引き上げてくれた政治家の娘(リリアン・ギッシュ)に
プロポーズする場面でしょう。
まさか、ムラトーに申し込まれるとは思っていなかった彼女の、
唖然とした表情。
ここにも、白人の本音の一つが見えます。
そしてその後のしぐさは、
「あなたなんか、鞭で打たれるわよ!」
ということなんでしょうか。