2015年5月21日木曜日

『国民の創生』

1915年公開と言いますから、
ちょうど今から100年前に制作されたこの映画、

『国民の創生』(The Birth of a Nation)

サイレントで3時間という、
心の準備がいる作品ですが、
見てみたら、意外にあっというまでした。

https://www.youtube.com/watch?v=vZ871wZd7UY

この映画は、毀誉褒貶相半ば、なんでしょうか。
(日本では、「誉」のほうが勝っているかもしれませんが。)

世界大百科事典をコピペすると、

〈映画芸術の父〉D.W.グリフィスが1915年に製作・監督した12巻,
2時間45分の大作(1930年に音楽と効果,音入りの短縮版がつくられた)
アメリカ映画史上の偉大な古典であるとともに,
そのあからさまな人種偏見(黒人差別)ゆえに
アメリカ映画史上最大の恥ともみなされる作品。
黒人の役はすべて白人が黒塗りで演じた。
原作はトマス・ディクスンの小説(舞台劇にもなった)《ザ・クランズマン》。
黒人が奴隷として売られるところから始まり,
白人の男(主人)が黒人の女(奴隷)に産ませた混血黒人の誕生,その反乱,
黒人圧迫集団KKK(クー・クラックス・クラン)の暴虐(と活躍)が,
黒人奴隷を使用する南部の綿花農園経営主一家と
黒人解放論者である北部の上院議員一家の交流と対立を中心に,
南北戦争,リンカンの暗殺といった歴史的事件をまじえながら,
壮大な叙事詩のように描かれる。」

ああ、そうでしょうとも!

見どころの一つは、
2h 36m 14s あたりからの、
ムラトー(混血)であるリンチが、
自分を引き上げてくれた政治家の娘(リリアン・ギッシュ)に
プロポーズする場面でしょう。
まさか、ムラトーに申し込まれるとは思っていなかった彼女の、
唖然とした表情。
ここにも、白人の本音の一つが見えます。
そしてその後のしぐさは、
「あなたなんか、鞭で打たれるわよ!」
ということなんでしょうか。